おねえさまへ
お姉様の文章漬けになって以来、頭がおかしくなりそうです。
今、私はお正月の帰省の急行に揺られながら、お手紙を書いています。時期をずらしたからか、乗客は疎らです。
お姉さまは私に、「私の文章を読んだら、その時の身体の感覚を鮮明に書き取りなさい」と言いましたね。私はお姉さまとの約束を守らないということは考えられないため、読みながら書き連ねようと思います。
目で文字を追っているだけなのに、息をするのも忘れてしまいます。文字は追えているはずなのに、そこから少しずつ意識が身体へ移っていってしまいます。考えてはいけないと思うほど思考は揺らぎ、快楽に飲み込まれそうになりました。また、頭の中には霞がかかり、熱に浮かされたように火照りはじめました。
読み進めていくと、指の間がむずむずしてきて、内腿を合わせるように伸ばしたり擦ったりしてしまいます。水かきでは物足りなくなり、足首をストレッチするみたいに伸ばしたり曲げたりを繰り返していました。靴下についたワンポイントが足首に擦れ、その刺激で体が敏感になり、さらに電車のシートヒーターで腰回りを温められたことで、意識が下半身に集中してしまいます。目は潤み、耳は紅くなり、首筋がほんのり汗ばんできました。
手が伸びそうになるのを誤魔化すためにスラックスを握って耐え忍びましたが、指に力が入り続けていたせいか、少しずつ手が湿り、スラックスにシワがついてしまいました。母に叱られてしまいそうです。
意識が向けば向くほど、座り直そうとしたときに内腿に擦れたスラックスが太ももに纏わりつき、麻の生地の繊維一本一本が撫でてくるような感覚に襲われました。音は遠のき、自分の呼吸や心音に意識が集中し、電車のアナウンスも上手く聞き取れません。
乳首も固くなってきて、シャツに当たっているのが気になってきました。普段なら気にならないはずなのに、先が擦れるのが意識に上り、快楽に集中するほど欲しさが増していきます。わざと大きく呼吸をすると、胸が上下し、その動きで下着に先端を擦り付けることが出来ました。これくらいなら、お姉様は許してくれますよね。
呼吸を続けるほど、余計に尖り、触れたくなってきました。でも我慢しなくてはいけない。だからこそ、鼓動の音は速くなり、自分の呼吸や心音がより大きく聞こえてきます。
少し魔が差し、外側の腿に力を入れてみました。なんだか気持ちいいような気がして、そのまま続けてしまいます。すると、お腹の奥の方にも力が入ってきました。
熱くなって、溢れてきて、力が勝手に入ってしまう。だめなのに、なぜだか溢れてくる。抑えようとお腹に手を置いたのですが、想像以上に力が入り、前立腺の上を押してしまいました。思わず息が漏れそうになり、我に返りました。ですが、お腹の奥には力が入ったままで、キュッキュッと内腿が熱くなり、私のものがヒクヒクしているのが分かります。
我に返った反動なのか、逆に感覚は新鮮になり、再び音が遠のいていきました。瞬きの回数は減り、目の焦点も合わなくなっていきます。身体の感覚と快楽で頭の中が満たされていきました。何とかしようと靴紐を見つめたのですが、一点を見続けることで、かえって全身の感覚が研ぎ澄まされてしまいました。
うなじの髪が気になり始め、首の後ろに力が入ります。その力は首だけでなく、肩甲骨の上、肩の内側にまで及び、指先で撫でられたような感覚になりました。思わず腰が動き出しそうになり、羞恥心からなのか興奮からなのか、顔が火照ってしまいました。
耐えられなくなり、カバンから飴を取り出しましたが、舌が異様に敏感になっていて、飴玉を転がすのが楽しくなってしまいます。味のある球体が舌を撫で回し、無性に気持ちよく、舌の奥が火照り、呼吸するたびに呼気が舌を撫でました。喉奥が熱くなり、口角は緩み、口の中に唾液が溜まります。思わず飲み込むと、お姉様の味がしました。